横浜クラシック家具「ダニエル」 > ダニエルブログ > これぞ横浜 洋家具作りのスタートみたい
家具修理「家具の病院」
2017/03/03

これぞ横浜 洋家具作りのスタートみたい

ダニエルブログ

愛着あるデスクチェアの持ち込み


2月某日
日本在住のアメリカ人が店舗に訪れ、持ち込まれたデスクチェアの修理ができるか相談がありました。
海外駐在が長い方で、どこに派遣されてもこのチェアは愛用しているとのこと。

袖部分の革は擦り切れ、ウレタンがむき出しになっている状態です。

だいぶ使い込まれているようですが、雰囲気が良いデスクチェアです。

修理のご要望は・・・

話を聞くと、とても愛着のあるデスクチェアで、このグリーンの革がとても気に入っているそうで、張替てもグリーンの革で雰囲気は似た感じにが良いとのこと。
早速革を手配して、張替をさせていただくことに。

修理に取り掛かる


張り地を剥していく。
いままで使用されたデスクチェアの革を剥すと、ウレタンの状況が確認とれました。

経年劣化により、本来のクッション性は失われている状況です。
また、その下に挽かれたウェビングテープも伸びて、下支えの機能が損なわれていました。

新たな素材に入れ替えていく

革の張替に合わせて、今までのウレタンとウェビングテープを交換していきます。

4本であったウェビングテープを1本増やして5本を網目に編んで修復。

新しいウレタンを裁断し、三層構造にして交換しました。

新しい革を張っていく


細かなところも全て修復し、新しい鋲打ちを施して新規のグリーンの革を張り込みました。
工場から店舗へデスクチェアを移し、改めてその出来栄えをチェック。

修理前のデスクチェア 背中

修理後のデスクチェア


袖の部分も綺麗になりました。

座り心地もきちんとして、座面の膨らみも戻り、とても良い状態になりました。

早速お引き取りにご来店


デスクチェアを見るなり「Great!!」 
満面の笑みで椅子をチェックされています。
思い通りの革質、革の色、座り心地に満足されていらっしゃいました。

家具の修理を思い立ったきっかけは?

今回、どうして修理をダニエルに頼んだのか? なぜ修理を使用と思われたのかが気になり尋ねてみました。
1)なぜ修理を?
A) 修理することは当たり前。どこの国でも椅子修理する文化があると思っていた。日本にまだそんなに定着していないことに驚いたよ。しかも、修理できるところを探そうとするとなかなかないらしいんだ。

2)どうやってダニエルの「家具の病院」を知ったのですか?
A) 自分は運がよかった。たまたま、横浜に住んでいて元町を歩いていたら大きなジャンボチェアがあって、その脇に椅子の修理の修理前と修理後の見本が置いてあり、巡り合うことができた。

3)思い通りになったか?
A) 来週には、違う国に赴任することが決まっていて、このまま次の国に持っていたところで、修理するところを探すのモノ大変だろうとっと思い、期待はせずにお願いしてみた。 ところが、期待以上の修理の出来栄えと革の質の良さに惚れ惚れだよ。日本のクラフトマンの技術は相当高い。 アメリカで張り替えたらタッカーでパチパチ。早いけど張り栄えや座り心地は考えないだろうね。

4)日本の洋家具がこうやって修理から学んだのがスタートなんですよ!
A) なるほど!! それは意外だ! 昔の人は私みたいに家具を持ち込み修理をしたんだね。日本の人達の勤勉さが本国を超えたんだ。

などなど、幾つかの質問にも気軽に答えてくれました。

修理品のお持ち帰り

ご来店時から気になっていたキャリアをおもむろに広げ初め、さっとデスクチェアをもってそれに固定し始めました。

「オーライ!! お金も払ったし、それでは早速持ち帰るよ!!」

ワイルド!?(@_@。 
普段だとせっかくの家具が傷が付く!っとか、思うのですが、その場の動作にあっけに取られている間に、積み込みも終了。
「GOOD BYE」っと、一言言うと、さっと外へ向かい、家路に。


なんだか本当に150年前は、こうした風景が横浜元町で頻繁に出会う事ができたのだろう、っと思いました。
また、モノを愛着もって使用する心に触れて、治せる技術とそれを認めていただいたことで嬉しい気持ちでした。

家具の修理は「家具の病院」へ

お問い合わせ

お電話から
045-311-4001 受付時間  9:30~17:00
メールフォームから









関連記事

お問い合わせ

お電話から
045-311-4001 受付時間  9:30~17:00
メールフォームから