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家具修理「家具の病院」
2017/03/09

アーコール ヴィンテージ品の修理 

ダニエルブログ

アーコールのヴィンテージ品(中古家具)修理

英国の老舗家具メーカー「アーコール」社(ercol)の日本総代理店として商品の輸入を手掛けていますが、弊社が輸入しているのは現在のアーコール社で製作されている新品のみで、中古家具の取り扱いしておりませんが、シートクッションやチェアのグラ直し、塗装の塗る替え他、ウェビングテープの交換など、普段からお使いいただいておるアーコール製品の修理は、正規品パーツを用いるほか、ダニエルの家具の病院の熟練職人が日本国内でパーツを製作するなどして、全ての製品の修理・修復をしています。

アーコール現行品 ドロップリーフテーブル&バタフライチェア

アーコールチェアのグラ直し

アーコールのヴィンテージチェアの場合、購入時に既に背中のスポーク(真っ直ぐにのびる背中を支える棒)が緩んでいたり、脚部の脚の楔が緩く、グラついていたり、座面が割れている状態で届く事もあるようです。
また、永く使っている間に経年変化と合わせて、木の乾燥による木痩せが生じ、木部の接合部が緩み始めてグラつくことがあります。
その場合、ダニエルの「家具の病院」では、全てのパーツを一度分解して、木痩せの部分には新たな木の板や楔を製作して組み直しをします。 もちろん、強度を上げるために隠し釘を使用することもありますが、まずは結合部分をきちんと組直ししないことには、釘やビスを使用しても完治しておらず、緩んだ状態で無理に止めているので他のパーツや結合部に負担がかかり、木部の破損につながることもあります。


グラつくパーツは一度すべて分解。木痩せしたパーツを補強。接着材を全てはがす作業も手間がかかります。

新しく楔を製作。伝統的なウィンザーチェアの製造方法だからこそ、キチンと修復ができます。
改めて組直ししたら、接着材がキチンと付くように工夫を凝らしたハタガネで絞めつけて固定。2日間かけて固定していきます。

修理完成

木痩せよりグラついていた椅子が見事に甦りました。

ヴィンテージ品は注意も必要です

現在インターネットなどで検索すると、多くのアーコールチェアに巡り合うことができます。
金額もまちまち。でも安いモノはそれなりなのが、今までの経験で分かってきました。
少し価格がはるモノは現地英国内か、日本で修理や修復、綺麗にメンテナンスされているモノであることも分かってきました。
Webサイト上での写真などからはなかなか判断がしにくいのが現状です。
現物を確認されるか、状態をしっかり認識して、目利きになって購入することが望ましいように思えます。
実際に、多くのお客様から修理や相談を受けますが、修理代を聞いて「購入した金額に近い!」なんて言われることもしばしば。
ただ、修理をしないと使えない状態である家具もありますので、十分にご注意ください。

アーコールWAXでメンテナス


新しい商品は、水溶性のラッカー塗装が施されているので基本的には必要がありませんが、ヴィンテージ品の多くが汚れやメンテナンスの為に、表面を一度紙やすりで擦り、表面の塗膜面を剥してしまっているケースが見受けられます。

実際に表面が乾燥した感じや木がパサパサした感じの状態であるヴィンテージは、メンテナンスされている恐れがあります。
もちろん、長い間使われている間には表面の塗膜面が剥がれていたり、30年前以上のモノになると蜜蝋仕上げのタイプ等もあることから、どうしても表面が乾いた感じになっています。

その場合、表面の木部が直接外気に触れている状態なので、木が乾燥してヒビ割れや木痩せの症状を及ぼす原因となります。

そのため、アーコール社ではオリジナルのメンテナンス用「アーコールWAX」を販売しています。
天然の蜜蝋でできたWAXで、こまめにメンテナスすることで表面に塗膜面を作り、乾燥から家具を守る役割をします。

アーコールWAXの価格は3000円(税別)
アーコール・ジャパンのWebサイトからも購入が可能です。

WWW.ERCOL-JAPAN.COM

自分の愛する家具をメンテナスしながら長く付き合ってく。これこそが英国スタイル。愛着ある一品を探してみてください。

修理のご相談や、アーコールWAXのお求めはダニエル各ショールーム他、下記のお問い合わせからも可能です。

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