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ダニエル
2016/07/07

大正時代のチェアの修理 「家具の病院」 椅子の張替・椅子の塗装修理・木部補修

ダニエルブログ
大正時代のから伝わる家財を修復して次世代に残されたいという、お客さまのご要望に応じて、ダニエルの熟練技術集団が大正時代に製作された椅子の修理を行います。

1)現状確認

まずは現状確認。





張地はもちろんですが、木部も表面の塗装が経年劣化しています。また、座面のそこでスプリングを支えているウェビングテープ(麻のテープ)も劣化によりその役割を果たせずにいます。


少しフレームがきゃしゃなのか、木部が乾燥して木が痩せてグラつきもみられるため木部の補修も必要です。

2)現状の布地をはがし、木部や詳細の確認

まずは工房で張地をはがします。

やはり、椅子の土手や座面には天然素材の藁が使われいました。古いソファやダイニングチェアを解体していると度々見られる光景です。
通常ではなかなか見られませんが、ダニエルの「家具の病院」では、かなりの頻度で見ることができる貴重な光景です。

スプリングも抜け落ちており、錆があるために新しいモノに交換が必要です。

一度すべてフレームの状態にして、木部の確認に移ります。


剥がす前にもフレームのグラつきは確認できました。その原因は乾燥による木の痩せです。
熟練職人の技と感性でもう一度組直すことで強靭なフレームを手に入れました。

3)塗装の修理



 次に塗装。
今回興味深いのは背中に丸で囲まれた「上」の文字。何を意味しているのか、現在の当主ではも分かりかねるとのこと。家紋でもないのですが、意味があるはず。
これは消さないようにきれいに養生を施してから、塗装修理に入ります。




塗装は一度すべての木部の着色を用材とペーパーヤスリで落とすことから始まります。 木部の木地の状態を研磨することで調整し、木肌を整えます。


その後水溶性のラッカー塗装を施すのですが、目止め、着色、上塗りを合計で10工程上施しながら、着色塗装していきます。


そしてようやく完成。


丁寧に時間をかけて再生されていく木部は、新たな輝きを放ち始めました。




以前の状態と比べても、色あせた感じのするフレームが製作された当時の風合いに戻りました。

4)熟練の技で椅子張り作業


そして椅子張り作業。
前回のスプリングが錆びていたので新規のスプリングに交換。それを支えるウェビングも麻テープの新規のモノを使用して、麻紐で結っていきます。

製作当時の座り心地を忠実に再現していきます。

麻のカバーをした後に、クッションを材を載せていきます。
 
以前は、藁の天然素材だけでしたが、今回は一番下に天然素材を施し、耐久性と座り心地を考え、硬めのウレタン、低反発のウレタンを上に施し、スプリングの上に3層のクッションを構築。
その上に化繊綿を施すことで、ウレタンの劣化を抑えると共に、素晴らしい座り心地を表現します。

布地も、以前モノを基にあらゆるところから探して、雰囲気が近いモノを選定。



鋲を施して、より引き締まった表情にみえます。

蘇るチェア


グラつきもなく、木部の塗装も綺麗になり、張も座り心地も完璧に修復され完成です。



いよいよ納品


リフォームが終了した、当時のままの建物へご納品。
震災、戦災を逃れた本当に貴重な建物です。



 修理・修復した他のテーブルやソファ、コーナー棚と合わせてセットされ、当時の雰囲気が蘇りました。
 


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